まこなり社長のYoutubeを見ていたら、「賢さは抽象化能力」っていうある意味決定的なことを言っていたのですが、これもう一つ重要な要素があるので書いておきたいと思います。それは「具体化能力」です。
物事を抽象化する力
昨日、まこなり社長の動画で面白いことを言っていました。
これね、分かる人には分かると思うんですが、凄い正論だし、真理なんです。少なくとも、私はこれは正しいと思っているし、日々実感していると言っても過言ではありません。
抽象化能力とは、事象を汎化して捉える力です。法則性を見極める力、あるいはこれを「サイエンス」と呼ぶ人も居るくらい、かなり核心に迫る概念であると言って良いでしょう。これを「賢さ」の原資と捉えるのは、決して間違いでは無いと思います。
それ以上に、この抽象化能力を身に着けていると、いろいろなことが楽に考えられるようになってきます。極端に言えば、いろいろなものが「同じこと」「同じもの」に見えてくるんです。そうすると関連付けの想起もやりやすくなって、モノを覚えたりするのが楽になったり、そういう効果が得られます。
とにかく、抽象化能力って凄い効果が高いので、賢いかどうかは別として、意識的に身に着ける(思考の癖付けをする)ことをオススメしたいです。
抽象化能力だけでは物事が進まない
さて、万能とも思える抽象化能力ですが、実は抽象化能力だけでは解決できない問題があります。ぶっちゃけ、物事を抽象的に捉えるだけでは、仕事が進まないのです。
当然のことですが、物事を前に進めるには、より具体的な方法の議論などが必要です。これはつまり、自分の中にある考え方やイメージなどを具体化し言語化する能力になります。抽象化の逆の能力です。
つまり、抽象化してインプットしたものを、具体化してアウトプットする。当たり前の話なんですが、抽象化至上主義に陥っていると、今度はアウトプットが疎かになって全く物事を進められない事態に陥ります。
前述の動画の中でも、実はこれを紹介していて、アクションプランにする、というあたりはまさに具体化の取り組みなんです。ただ、この2つが双璧の関係にあることに気付けない人も居るのではないかと気になりました。
実は大事なのは「相転移」
良く言われることですが、何かを考える時には、例えばミクロとマクロの目線が大事だ、みたいな、相反する2つの要素が出てくることがあります。抽象化と具体化も同じような文脈です。
これらに共通した概念はつまり「相転移」です。大きな目線と小さな目線を行ったり来たりしながら、考えを進める、みたいなことです。実は本質はこの「いったりきたりする」ことにあると言えます。
抽象化と具体化も同じで、上記のように抽象化してインプット、具体化してアウトプットというのも一つの流れですが、例えば議論の中で、抽象的な切り口と具体的な切り口を行ったり来たりするような、そういった形で議論が深まっていくのを経験したことのある方もいらっしゃるでしょう。
この相転移こそが、実は本質だと私は考えています。抽象化は、その一つの道筋です。間違いではありません。全くの核心です。でも、リアルな世界に適応するには、相反する概念、つまり具体化が必要なんです。しかもその間を行ったり来たりするような活動こそが必要になるのです。
あくまでこれは持論ではありますが、抽象化能力は確かに非常に重要な能力なので、活用の仕方や鍛え方を間違えないで欲しいなぁと思ったのでした。
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