経験とノウハウの関係について、最近考えることがあったのでメモしておきます。
経験を得るにはどうすれば良いか
最近相談を受けた内容で面白い話があったので。
悩める若者が相談に来ました。どうすれば業務上必要な正しい判断ができるのか。きっと経験が必要なんだ、と。そこで質問しました。じゃぁ経験を積むにはどうすれば良いか。
悩んだ挙げ句返ってきた答えは「業務の経験を積む」。経験が必要なのに、その経験を得るには経験が必要だという無限ループです。これ良くあるなぁと思ったんですが、翻って自分はどう考えているか?を自己分析してみました。
「経験」と「ノウハウ」の関係
経験とは、業務を遂行する上で日々身につく、実体験によって得られるものです。つまり、実務を経験しなければ、当然経験を得ることはできません。
じゃあ「ノウハウ」とは何か。結局ノウハウとは、経験を重ねた人が、その経験から見出した体系化された手法だと私は考えています。実際、経験を重ねた人は経験に基づいて仕事なんてしていません。そこかえら得られた知見、ノウハウで仕事をしているんです。
乱暴な言い方をすれば、経験は実は何も生み出しません。アウトプットしない、というのが正しいかと思います。経験を積んで、それを自身の中で昇華して、そこから得られた知見こそが、アウトプットに繋がってるんです。
ノウハウは真似できる
経験を写し取ることはできません。でもノウハウは真似することができるってことです。いわゆるハウツー本などはこの類です。やり方や手順を真似することで、あたかも経験を積んできたかのように振る舞うことができるんです。
そうすると、経験がなくても一定の成果を上げることができます。なんか出来る気になってくる。それを繰り返すことで、結果として経験が生まれ、そして自身の中に、自分自身の知見、すなわちノウハウが生まれてきます。
つまり、真似すればいいってことです。良くわからなくても、真似してやっていれば経験は積まれていって、そこから独自のノウハウが生まれてきます。
例えば何かプログラムを学ぼうと思った時、最初はわけも分からずサンプルコードをコピーしたりしていたはずです。でもあとでそれを見返して分解して解釈して、そこから自身の知識となるものが得られるということは、良くあるシチュエーションかと思います。
経験とノウハウのサイクル
この経験とノウハウの関係は、実は考えてみれば当たり前のことなんですが、意外に忘れがちなので今回書いておこうかな、と思いました。
経験は何も生み出しません。経験を写し取ることもできません。ただ、そこから見出された知見はノウハウとして継承、真似することができます。それが新たな経験を生み、新たなノウハウが生み出されていくんですね。
技術や業務的な知見の伝承って、こうやって行われていくんだな、ということを改めて認識する機会となったのでした。
なので、困ったときは、その人の発言でも仕草でもなんでもいいので、真似してみましょう。そうすると、新しい何かが得られるかもしれません。
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