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「成果主義」を「成果物」で語ってほしくない話

time 2020/09/30

最近気になることを書いておくシリーズです。今日は「成果」の話。実は最近、成果、貢献、評価っていう3軸の関連性を考えていたりするわけですが、それはそれとして、ちょっと身の回りで気になっている、なんでも成果物を定義すれば良い的な成果主義の件について。

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成果主義とは何だったのか

昨今のコロナ禍でリモートワークが推奨されており、業務的な特性や可否の議論がありつつも、一つ働き方として物理的に顔を合わせない形での業務遂行が認知されつつある昨今、よく聞くのが、「評価」の話です。

もともと残業代のような、業務時間で給料を決める方式が現在の賃金体系のベースでしょう。つまりその時間は業務に専念しなさいと。要するに丁稚奉公時代から変わらない考え方です。

一方で、「成果主義」なる、業務上の成果で評価しようという考え方もあるらしいということで、よし、これからは成果主義だ、となったのが、かれこれ15年くらい前かなぁ・・・もうしばらく前だと思います。

ただ、「成果主義」を辞書で調べてもらえるとわかりますが、実は成果主義って、対義語は実は「年功序列」なんです。つまり、より長く勤めた人の給料が高くなるあの体系に対して持ち込まれた概念が「成果主義」なんですね。

なので、「成果主義」の辞書的な定義をみると、それって単純に成果を評価する、っていうだけの話じゃなく、成果の出し方や仕事への取り組み方も評価の内容として含まれています。年功序列に対して、仕事の成果でお給料を決めますよ、という話だったわけです。

成果主義が「成果物主義」になる話

つまり「成果主義」に対する認知のズレ的なものが結構あったように感じています。言ってる自分も違和感を感じて調べた結果として認識したくらいなんですがね。

で、僕が感じた違和感とは何だったかというと・・・・

最近、リモートワークが流行ってきて、どうやって仕事の成果を評価するか、逆に、どうやって成果をアピールするか、みたいな話題がやっぱり出てくるわけです。そこで一部のメンバーが、なんだがガッチリと成果物とレビューっていうアウトプット定義をしてきたわけです。

それ自体は悪いことではないと思うんですが・・・これ分かる人は分かると思いますが、これやると、成果物作ることが仕事の目的になっていくんですよね。段々と、成果物を決めて、定義して、成果物をなんとかして仕上げることが目的になってくるという。

つまり、成果物主義。

ホント、悪いことではないと思うんですが、やっぱりこれをやってると本質を見失ってくるんです。

成果と貢献と評価

で、その流れから僕自身が思い至ったのが、成果と貢献と評価という3要素なんです。誰もが評価されたいわけですが、その評価って、実は成果から直接得られうものではなく、その間に貢献って要素があるよな、ってこと。こう考えると、成果物というのが何ら目的につながっていないことも明らかになります。

さらに、この貢献っていう要素には、いろんなものへの貢献を定義できる。クライアントへの貢献もそうですが、チームや組織、会社への貢献、あるいは、自分自身のキャリアへの貢献など、この貢献という要素はものすごく表現力が高くて、使い勝手が良いのです。

成果主義に陥らないように

というわけで、何が言いたいかというと、成果主義・・・っていうか成果物主義にはなるべくはまらないように気をつけましょうね、ということです。

そもそも成果主義は年功序列から出てきた概念であるというところから考えて、成果と貢献と評価という3要素で仕事は成り立っているという面を意識すれば、成果物というのが、成果を出すための一つの手法でしかないことも分かってきます。そうすると、本来の目的を見失うこともないでしょう。

翻って。そんなご時世に成果を出せる人ってどんな人かなって考えると、やはり成果を定義できる人、つまりは、評価と貢献と成果の構造を理解し、成果を自身で適切な形にコントロールできる、そんな裁量を持った人なんだと考えています。

この裁量の話はまた別の話題もあるのですが、まずは「成果主義」と我々が思っているものについて、もう一度考えるべきときが来ているのではないか、と思った次第です。

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しまりん

しまりん

自称クラウドエンジニア。ブログサーバーの性能改善に勤しむ一方、新しい技術は「動かしてみないと」「触ってみないと」気が済まない性分です。 新しいiPhoneやっぱり楽しい。



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