冬は毎週末のようにスキー場へ行くので、帰りの温泉選びは結構大事です。良い温泉かどうかは泉質だけではなく、混雑時の余裕やアメニティ、営業時間の安定性にもかなり左右されます。
先日、花湯スカイテルメリゾートに行ってみて良い施設だと感じたのですが、そこから運営会社まで気になってしまいました。今回は、スキー帰りの立ち寄り温泉を、少しだけ運営目線で見てみる話です。
スキー帰りの温泉は、帰路に入る前の大事な中継地点
冬になると、毎週末のようにスキー場へ通っています。滑りに行くこと自体が目的ではあるのですが、実際にはスキー場だけで一日が完結するわけではありません。
朝早く出発して、滑って、片付けて、着替えて、帰る。その途中に温泉があるかどうかで、帰り道の印象はかなり変わります。
特にスキー帰りは、体が冷えていたり、汗をかいていたり、ブーツで足が疲れていたりします。その状態でそのまま長距離運転に入るより、一度温泉に入って体をリセットしたほうが、気分的にも体力的にもかなり楽です。
要するに、スキー帰りの温泉は観光のおまけではなく、スキー行程の一部です。個人的には、スキー場、昼食、帰りの温泉、帰路の渋滞回避まで含めて、ようやく一日の設計が完了する感覚があります。
夏場に「温泉ロケハン」をしている
そんなこともあり、夏場でも各地の温泉を見に行くことがあります。冬に使えそうな立ち寄り温泉を探すためのロケハンです。
冬のスキー帰りは、できれば失敗したくありません。疲れている状態で温泉に向かったら、駐車場が満車だったり、洗い場が少なかったり、脱衣所が狭かったり、そもそも営業していなかったりすると、なかなかダメージが大きいです。
そのため、夏場のうちに施設の雰囲気を見ておくことがあります。駐車場は入りやすいか。浴場は広いか。洗い場は十分あるか。脱衣所は混雑に耐えられそうか。帰り道に戻りやすいか。こういうところは、公式サイトだけ見ても意外と分かりません。
もちろん泉質も大事です。ただ、スキー帰りに使う温泉として考えると、泉質だけでは決まりません。疲れた体で使いやすいか。混んでいてもなんとかなるか。帰りの導線に無理がないか。そういう実用面がかなり重要になります。
温泉ロケハンというと、いかにも大げさですが、実際には「冬の自分を助けるための下見」です。スキー板のワックスを考えるのと同じで、帰りの風呂場も事前準備の対象になるわけです。
スキー帰り温泉で重視しているポイント
スキー帰りの温泉で重視しているのは、だいたい次のような点です。
まず、お風呂が広いこと。これはかなり大事です。混雑していても、浴槽に余裕があれば落ち着いて入れます。逆に、どれだけ泉質が良くても、浴槽が狭くて人が詰まっていると、スキー帰りには少しつらいです。
次に、洗い場の数です。スキー帰りの温泉で一番困るのは、入った瞬間に洗い場待ちになることです。疲れているところに洗い場待ちは、地味に効きます。お湯に入る前に、まずここで足止めされるわけです。
脱衣所の広さも重要です。スキー帰りは荷物が多くなりがちです。インナーを着替えたり、靴下を履き替えたり、冬物の上着を扱ったりするので、脱衣所が狭いとかなり窮屈です。
アメニティやドライヤーも、必要以上に豪華である必要はありませんが、最低限きちんとしていてほしいところです。スキー帰りは髪も体も冷えますし、ドライヤー待ちが長いと一気に疲れが戻ってきます。
そして、営業時間の安定性です。ここが最近かなり気になるようになりました。地方の温泉施設は、設備故障、運営会社の変更、指定管理の終了、改修、営業時間短縮などで、急に使えなくなることがあります。行ってみたら営業していなかった、というのは、スキー帰りにはなかなか厳しいです。
このあたりを考えると、スキー帰りに必要なのは、秘湯感よりも運用上の安心感なのかもしれません。もちろん秘湯も好きです。ただ、滑った後の疲れた体で向かう温泉には、「ちゃんと使える」という強さがあります。
行ってみたら営業していなかった、という経験
温泉施設を調べていると、意外と運営状況が変わっていることがあります。昔は営業していたのに休業している。指定管理者が変わっている。施設改修で長期休館している。あるいは、そのまま閉館している。
これが目的地としての温泉旅行なら、事前にかなり調べるので避けやすいかもしれません。しかしスキー帰りの立ち寄り温泉は、行程の途中に組み込むことが多いです。つまり、温泉だけを目的にしているわけではありません。
だからこそ、現地で外すと困ります。では別の温泉に行こうか、となっても、すでに夕方で、疲れていて、帰り道もあります。そこで検索し直して、営業時間を確認して、移動するのはなかなか面倒です。
そういう経験があると、温泉施設を見る目が少し変わります。単に「いいお湯かどうか」ではなく、「この施設は安定して営業していそうか」「運営会社はどこか」「系列施設はあるのか」「設備更新やリニューアルの体力はありそうか」といったところが気になってきます。
本業で企業や市場のリサーチをしていることもあり、どうしても裏側が気になります。もはや職業病です。ただ、これは利用者としてもかなり実用的な見方だと思っています。
スカイテルメ渋川に行ってきた
先日、渋川市のスカイテルメ渋川に行ってきました。現在は花湯スカイテルメリゾートという名称で運営されています。
この施設は、まず外観のインパクトがあります。遠くから見ても、かなり特徴的な形をしています。いわゆる普通の日帰り温泉というより、少し未来的というか、展望施設のような雰囲気があります。
実際に入ってみると、かなり使いやすい施設でした。お風呂は広く、洗い場も多く、眺望も良い。特に「混んでいてもなんとかなる」感じがあるのが良かったです。
スキー帰りの温泉として考えると、ここは重要です。もちろん空いているに越したことはないのですが、冬の週末に立ち寄るとなると、ある程度の混雑は避けられません。その時に、施設側に余裕があるかどうかはかなり大きな差になります。
泉質については、個人的には強烈な個性で押してくるというより、比較的入りやすい印象でした。もちろん感じ方は人によりますが、少なくともスキー帰りやドライブ帰りに使う施設としては、かなりバランスが良いと感じました。
眺望が良いのも印象的でした。滑った後に広い景色を見ながら温泉に入ると、それだけで一日の締まり方が良くなります。こういう体験は、細かいスペック表だけでは分かりません。
調べてみると、花湯の森グループだった
スカイテルメ渋川が良かったので、運営会社を調べてみました。すると、リゾート花湯の森グループの施設であることが分かりました。
花湯の森グループは、深谷花園温泉 花湯の森や熊谷天然温泉 花湯スパリゾート、HANA HOTELなどを展開している会社です。温浴施設だけでなく、ホテルも組み合わせているところが面白いです。
調べていて少し特徴的だと感じたのは、会社単体のコーポレートサイトが前面に出ているというより、各施設のサイトが入口になっていることです。会社概要をきれいに整理したページから全体像を見るというより、施設サイトや外部の情報をたどっていくと、少しずつ事業の輪郭が見えてくる感じです。
これはこれで、地場企業らしいとも感じます。会社そのものを前面に出すというより、施設が顔になっている。利用者から見れば、まず見えるのは会社名ではなく、目の前の温泉です。
ただ、複数の施設を見ていくと、その裏側にある運営会社の考え方が少しずつ見えてきます。どの場所に出しているのか。どんな施設を持っているのか。ホテルと温泉をどう組み合わせているのか。そういうところを見ると、単なる日帰り温泉の話ではなくなってきます。
温泉施設は、運営会社ごとの“癖”が出る
最近、サンロード運営の温泉もいくつか回っていました。複数の施設を見ていると、同じ運営会社の中に、なんとなく共通する雰囲気が見えてきます。
アメニティの揃え方、清掃の感じ、休憩スペースの作り方、接客の温度感、施設の古さに対する手入れの仕方。もちろん施設ごとの差はありますが、運営会社ごとの“癖”のようなものはあると思います。
これはスキー用品にも少し似ています。同じ板でも、メーカーごとに乗り味があります。ブーツも、ブランドごとに足入れの感覚があります。それと同じで、温泉施設にも運営会社ごとの使い心地があります。
初めて行く温泉でも、運営会社が分かると、ある程度の期待値を作れます。ここならアメニティはこのくらいだろう、清掃はこのくらい期待できそうだ、休憩スペースはこういう傾向だろう、という見立てができるようになります。
もちろん、これは絶対ではありません。最終的には行ってみないと分かりません。ただ、スキー帰りに外したくない温泉を選ぶ上では、運営会社を見ることはかなり実用的です。
大規模チェーンより、地場運営会社に惹かれる理由
大江戸温泉物語のような大規模チェーンには、チェーンとしての安心感があります。予約導線、ブランド、食事、施設運営、リニューアルの仕組みなど、一定の標準化が効いているのは強みです。
一方で、個人的には、花湯の森やサンロードのような地場の運営会社にもかなり惹かれます。その地域の道路事情や利用者の動き、観光地との距離感を見ながら施設を運営している感じがあるからです。
スキー帰りの温泉は、地域の導線との相性がかなり重要です。スキー場からどの道で帰るのか。高速道路に乗る前に寄れるのか。夕方の混雑に耐えられるのか。駐車場に入りやすいのか。地元客と観光客がどう混ざるのか。
こういう話は、全国標準の温泉施設だけでは拾いきれない部分があります。地場の運営会社がきちんと施設を回している温泉には、ローカル感と実用性の両方があります。
もちろん、地場運営だから必ず良いという話ではありません。むしろ、運営体制が弱いと突然休業したり、設備更新が追いつかなかったりすることもあります。だからこそ、どの会社がどう運営しているのかが気になるのです。
ゆに〜いくのような「温泉+滞在」の形にも関心がある
もう一つ気になっているのが、群馬県沼田市の地蔵温泉ゆに〜いくです。
ゆに〜いくは日帰り温泉として使える施設ですが、敷地内に「SPA RESORT ゆに〜いく 颪」というコテージ型の宿泊施設もあります。日帰り温泉に、宿泊やちょっとした滞在の要素を加えているところが面白いです。
沼田周辺は、スキー場帰りの導線としても使いやすいエリアです。丸沼、片品、川場、たんばら方面からの帰りに、沼田周辺で温泉に入るという選択肢は自然に出てきます。そこに、日帰り入浴だけでなく、泊まる・休む・少し滞在するという選択肢が加わると、使い方の幅が広がります。
個人的には、スキー帰りの温泉は日帰り利用が中心です。ただ、天気や疲労、翌日の予定によっては、帰らずに一泊するという選択肢があっても良いと思っています。特に冬の関越道は、渋滞や雪の状況によって帰り道の負荷が大きく変わります。
そう考えると、温泉施設が単に「風呂に入って帰る場所」ではなく、「場合によっては泊まれる場所」「少し余白を持てる場所」になっているのは、スキーヤー目線でもかなり魅力があります。
もちろん、こうした施設も実際に使ってみないと分からない部分はあります。コテージの快適さ、温泉との距離感、食事の使い勝手、冬の動線、駐車場、チェックイン・チェックアウトのしやすさ。見るべきところはたくさんあります。
ただ、日帰り温泉に滞在機能を足していく方向性には、かなり可能性を感じています。スキー帰りの温泉探しという視点から見ても、こういう施設は今後チェックしていきたい対象です。
スキー帰り温泉としての評価軸
ここまで書いてきて、自分にとっての温泉評価は、いわゆる温泉マニア的な評価とは少し違うのだと思います。
もちろん、泉質は大事です。源泉かけ流しや成分の濃さ、湯の香り、肌触りも気になります。ただ、スキー帰りの立ち寄り温泉として見ると、それだけでは決まりません。
浴場が広いか。洗い場が多いか。脱衣所が使いやすいか。ドライヤーは足りているか。シャンプー類は最低限きちんとしているか。休憩スペースはあるか。食事ができるか。駐車場は入りやすいか。営業時間は帰り道に合うか。混雑していてもなんとかなるか。
そして、運営が安定しているか。
この最後の項目は、最近かなり重視するようになりました。良い施設でも、営業していなければ使えません。遠回りして行ったのに休業していたら、かなりつらいです。
温泉施設は、泉質だけでなく、設備を維持し、人を配置し、清掃し、営業時間を守り、混雑をさばき、継続的に運営されて初めて利用者にとって価値になります。
そう考えると、温泉を見ることは、実はかなり運営を見ることでもあります。
まとめ
スカイテルメ渋川、現在の花湯スカイテルメリゾートは、私にとって「スキー帰りにも使いやすそうな、良い温泉施設」でした。
お風呂が広く、洗い場も多く、眺望も良い。混んでいてもなんとかなる、という意味でかなり安心感があります。スキー帰りに立ち寄る温泉として、この安心感は大きいです。
そして調べてみると、運営はリゾート花湯の森グループでした。そこから、温泉施設を見るときに運営会社まで気にするのは、やはり意味があると改めて感じました。
温泉は泉質も大事です。ただ、スキー帰りに立ち寄る施設として考えると、広さ、清潔感、アメニティ、混雑耐性、営業時間、運営の安定性もかなり重要です。疲れている帰り道に、ここで外すと意外とダメージが大きいのです。
また、ゆに〜いくのように、日帰り温泉に滞在や宿泊の要素を加えている施設にも関心があります。帰る前に入る温泉だけでなく、場合によってはそのまま休める、泊まれるという選択肢があると、冬の移動にはかなり余裕が生まれます。
これからも、冬のスキー帰りに向けて、夏のうちから温泉ロケハンを続けていこうと思います。スキー場の下見ならぬ、風呂場の下見です。
これもまた、冬支度の一つです。

コメント